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食べるものがなかった。ただ、妹がかわいそうだった。
だから僕は自分の腕をぐちゃぐちゃに抉って食べさせたんだ。
あの子は美味しそうに笑って、喜んで貪った。嬉しかった。
そんなあの子も、それから二年でいなくなった。町が焼け野原になったから、僕は探しに行った。でも、あの子には会えなかった。見つける前に、僕が先に死んだからだ。
​本当にごめんね。

 

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